母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

命に響く

大阪、かなり揺れたようですね。

友人たちばかりでなく、

皆さんが無事でありますように。

 

雨の中の高速バスで三重へ向かっています。

 

東京滞在中、色んなことがありました。

先月に続き、沢山の人にお会いしました。

体力的には厳しくもありましたが、

何とか責任を果たすことは出来たかな、

と感じております。

 

活動資金が不足する中、

お金に繋がらない仕事でも、

やはり責任あることは全力で行います。

誰かはやらなければならないのだから。

 

相談も沢山受けました。

心配な状況の人も数名います。

少しでも支えになれるように。

 

悲惨な事件や事故のニュースも、

ここのところ続きました。

一人一人の内側で起きていることと、

社会で起きていることは無関係ではない。

繋がっている。

個人の内側の問題は社会の問題であり、

社会の問題は必ず各個人の内側へも、

大きく影響するもの。

 

心と向き合う時、

これは本当によく感じることです。

そして、一人の力ではどうすることも出来ない。

でもできる限りのことはしなければ。

 

ある保育士の方の記事を目にした。

命を預かる責任について書いてあった。

 

あえて、この時に言いたいと思う。

命、生命の重み。

そして、命と言った場合、

身体的な部分だけを指すのではない。

命には心というその核となるものがある。

 

心の問題が未だに疎かにされてはいないか。

痛ましい事件を目にする度、感じること。

 

僕が関わってきた人達は、

被害者でも加害者でもある人達だ。

世の中には善と悪しかない、

と思い込んで居る人達が、

どれだけ多くの人を追い込んでいることか。

根本的な人間誰もが持つ心に目を向けないからだ。

 

人間の可能性について語って来た。

それを証明もしてきた。

 

けれど、目を閉じている限り、

問題を直視しない限り、

本物の光には出会えない。

 

関わる、と言う仕事は、

命を預かる仕事です。

心の深いところに触れることです。

 

作品と向き合うことも、

それを扱うことも、

今の世の中で行われていることは、

あまりに浅はかです。

 

描かせればよい、見せればよい、

売れば良い、と言うこの流れは、

描く人の心を全く無視している。

ヘンテコな賞を作ったり、

展覧会やコンクールを作ったり、

騒げば良い、と言う安易な発想は、

危険ですらあることを忘れてはならない。

 

繰り返す。

関わることは、心に触れること。

命を預かること。

 

命は何のためにあるのだろう。

響き合うため、これこそが答え。

 

ダウン症のある人達のことを、

これからも語って行くことだろう。

彼らの在り方が示す、

調和する力と喜びを。

 

どんな時でも、

心と心が響き合う、

その関係性の中で、

人は喜びを、幸せを見つけるのです。

 

沢山のきれい事を並べても、

目の前の一人一人の笑顔に繋がらないなら、

それは一体何なのでしょうか。

 

東京アトリエでの、

あのみんなの幸せな時間。

輝く瞬間。

 

調和の文化が、この危機の時にも、

皆さんの元へ、そして、

世界中に響きますように。


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