やっぱり凄い
バザーリアの講演録を読む。
今、色々ちょこまかした動きは目にするようになったけれど、やっぱりこれ位のスケールが無ければ、本質的なところはビクともしないな、と感じている。この時代にここまで行っていた人がいる。そう言う圧倒的なビジョンがある。全面的に賛成かと言えば、僕には経験から見て無数に異論がある。でも、それはおいておくとして、1番核心と言えるのは、バザーリアが精神障害を個人や特定の領域から社会全体の問題へシフトさせたこと。現実としてこれを実現させた功績は大きい。これはまだまだ追いついていない、未来の思想でもある。この社会で生きられない人がいたなら、その誰かや、家族や、特定の団体や、専門家と呼ばれる人達の責任なのではない。それはそう言う漏れてしまう人達を生み出している社会そのものの責任。みんなが自分たちのこととして、向き合い、現実として解決して行くべき問題。この問いは他の全ての障害や、社会的弱者やマイノリティ全てに言えること。
それでも、やっぱりもう一つは言わなければならない。この社会だけが全てではない、この社会の中でだけ全てが解消されるべきならそれはまた新たな抑圧や支配の元になりはしないか。もっと違う在り方や可能性だってあり得る。