母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

いよいよ

蒸し蒸ししますねぇ。ガリガリ君、梅味が最高だな、とか思いつつ、さあさあ、展覧会が迫って来ました。準備バッチリではありませんが、行きます。よし子とダウンズタウンが語られた資料も少しあったら良いかなぁ、と話していたので見返してみました。ソトコト、天然生活、幾つかの新聞記事、美術手帳、GQでは高橋源一郎さんに取り上げて頂きましたね。こうしてみるとダウンズタウンプロジェクトのことも色んな場面で語られています。でもここからまた新しいページを刻むべく真っさらに、フレッシュに行こうかとも思います。僕自身はよし子が中心に進めて行くべきだと思っています。僕は現場に立っているのが役割かな、と。今は志摩でのこどものアトリエをメインにやって行きたいと思います。とは言え、外の人達も含め沢山の力が必要なダウンズタウンプロジェクトに、もちろんもちろん僕も出来る限りのエネルギーを注ぎたいと考えてもいます。本格的なトークも久しぶりです。やっと今回与えられたテーマに思いを巡らせています。大きなテーマです。受容と共感。今こそ語るべきテーマです。そして正しく自分がこれまでの歩みで絶えず中心にあったテーマでもあります。企画ではなるべく先方から与えられたテーマで話すようにしてきました。テーマも与えられたもの、って言うのが大事なことです。Facebookのフィールドに、福祉現場の職員向けと称するオンラインセミナーの広告動画が上がっていて、その内容の酷さに呆れています。介護、看護、福祉の現場で必要なスキルをマニュアルで、とか言ってますが、バカバカしくてお話になりません。言ってることも浅すぎです。当たり前ですが人と人が直に触れる現場をオンラインで学べる筈が無いです。そして、マニュアル化も不可能です。こう言うことやってるからいつまで経っても駄目なんです。まあ、そもそも利用者とか利用者さん、なる言葉自体に違和感しかないです。基本は1対1でその心に向き合うことですから、そこにあるのは自らの心、人格と、目の前の相手のそれが直接触れ合う。だから真剣勝負な訳です。マニュアルなんて存在しません。ずっとそう言う仕事をしてきて、時に言われることもありました。それは佐久間さんにしか出来ない、と。当たり前です。僕だけではないです。誰もがその人でしか出来ない仕事をしているんです。そして相手にしている人もその人でしか出来ない在り方、行き方、人格としてそこに居るんです。誰も変わりなんか出来ません。お互いがその唯一無二の存在として尊重し会う、その究極が僕は現場だと思っています。
今回、企画の全体のテーマにギフトと言うメッセージを頂いています。自分もそう、そこにいるたった1人のその人もそう、他の誰でも無いその個性こそ、この世界から与えられた最大のギフトです。少し前にオンライントークでしたがお話したテーマが、たった1人の個性から、でした。全ての存在が大切にされる世界を。調和と平和がそこにある世界を。そのためのヒントがダウン症のある人達の感性の在り方から見えてきます。展示前に多くを語り過ぎてしまいましたが、作品達と皆様が素敵な出会いをされますように。


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