母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

安全な場所

人は沢山のプレッシャーと、

様々な思いと、もう数え切れないストレスと、

不安の中にいる。

 

身動きがとれないほど。

 

実際のところ、身軽になってみないことには、自分がどれだけ背負っているのかさえ気づかない。

 

場は人の心を裸にする、とこの前書きました。

 

安心して生きられたら、見る全部が変わる。

みんな必死で安全な場所を探している。

でも正面からそれに答えてくれるものがない。

安定した仕事や地位やお金を、そして健康を手に入れても、今度は失う不安が着いてくる。

 

場に来て、みんなほっとする。やっと休めると。

あるいはやっと本気になれると。

やっと本領を発揮出来ると。

普段やっていることが、スッと飛んで行く。

なんだ、これで良いのだ、と。

スイッチが入って取り憑かれたように夢中になれる。

神懸かることだって。

ここは安全な場所だから。

 

そして、場を通して、安全な場所は心の深くにあるのだと知る。それは子供の頃でも何でも良い、なんの不安もなかった頃、一切の防御をもたずに、全力で生きられていた頃。それは過去なのではない。

今も心の深くにある場所。

 

何をやっても、どうなっても大丈夫。

 

それを知ると人は強い。

 

場はその情景を実現する。

人はそれをなぞり、それを描写する。

 

ここは安全な場所。

さあ、なんでも好きなように楽しんで、思い切り生きて良いのだと。