母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

新ブログ開設

みなさんこんにちは。アトリエ・エレマン・プレザン東京の佐久間寛厚です。

いくつかの場所では何とか書きましたが、携帯の故障時にSNS関係のデータが全て失われてしまいました。

以前のブログへは戻れず、新たなブログを始めることになりました。

 

これまでに2つのブログを作って来ました。

以前のブログは沢山の読者もいて、反響も大きかったのでそのまま終わるのは残念ですが、きっとこのページを見つけてくれますように。

 

初めましての方もいるかも知れませんね。

いて下さると嬉しいです。

自己紹介です。

ダウン症の人たち専門のアトリエをやっています。絵画を制作するための場ですが、そこから彼らが共通して持つ調和的センスと、鋭く豊かな感性を一つの文化のとして捉え、発信しています。

 

僕の仕事は、作家達が自身の心の本質へ向かうプロセスを場の力によって生み出して行くことです。

場と言う概念は、僕がダウン症の人たちと出会う以前に様々な障害を持つ人達と暮らしてきた経験から得たものです。人間の心は見たまま、見えているままが全てではなく、より深い層にあるものこそが、その人の本質と言えるものです。そこに触れるためには色んな仕組みがあって、その条件を整えたものが場です。

 

こう言う話を少しづつ書いて行ければ、と思います。実はこれを機に原点回帰の意味もあり、これからは制作の場を中心に、これまで基本としてきたことも書いて行きたいな、と思っています。場とは何か、実はそれを語るのはなかなか難しい。一言で言うなら、人の心が裸になって行く、そんな時間の経験です。

場は生命体に直接響き、動かすもの。本物の場は人の人生すら変えてしまう力があります。

 

僕は20年以上も場に立って来ました。

でもこれまで腰を据えて場について、全てを語ったことはありません。今後はそのためのお話会みたいなことをやっていきたい、と言う考えもあります。

 

場を通して沢山のことを見てきました。

その中でエッセンスと言えることの一つに、本能の力の凄さがあります。人は本来、全てを持っていて、全てを知っている、そんなことを場は教えてくれました。夾雑物を落として、心を研ぎ澄ませて生きること。元々いた場所に、全てがある。生命が戻るべき場所がある。世界も人も生命も、全ては回帰する存在。

 

帰る場所の記憶は心の深くへ刻まれている。

制作の場において、何も持たずに、創造性の源へたどり着けることがそれを証明している。

 

だから、場を言葉にするなら、母川回帰。

そんな意味を込めてこのブログのタイトルとしました。新しいブログもよろしくお願いします。