母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

今なぜ

今回の秋分の日スペシャル企画、

「この世界に生まれて」を、

なぜ無料企画にしたのか。

 

ここに母川回帰シリーズの使命感がある。

 

正直に話すなら、ご想像通り、人も材料も、その他諸々が物理的に動く訳で、当然赤字どころか、と言う話。

会を運営して行くには当然、資金が必要。

通常であれば、その場で別の何かを販売するなり、何かの宣伝に使うなり、何らかの形で元を取ろうとするのだろう。

それが普通だから、もしかしたら中には、この企画だって何かしら辻褄合わせがあると、想像してしまう人がいても可笑しくはない。

でも、はっきり言いましょう。

種も仕掛けも無し。見たままです。

今回の企画で、皆さんから何か頂くことはありません。勧誘もありません。

ご安心を。

 

この世の価値で得をしたければ、もっと違う生き方していますから。

多くの方は、上手く与えられて来なかったので、受け取ることが下手なのです。

疑いに慣れてしまっています。迷い無く素直に受け取ることが出来る人間になれたら幸せです。

 

確かに、経済活動はとても大切なことです。

理想は、見合ったお金が動き、信頼の中で良い循環で繋がって行くこと。

お金が介在することで初めて、良いものを創り、守ることが出来るのです。

 

ただ、このからくりを説明するのは、ここでは長くなりすぎるのでしませんが、お金は良いものを生まれ難くさせたり、壊してしまったりする仕組みでもあるのです。

 

経済活動を超えたことも、またやっていかなければならない。

生産性だけでは大切な土台を失う。

これは道徳や倫理の問題ではなく、仕組みの問題だ。

 

そのバランスをとるために、チャリティーやボランティア等が存在する。

それが本来の意味だけど、それらが真の意味と力を発揮しているのかは、疑わしい。

 

例えば、施す、と言うのは、本当のところ、上から下へ、或いは富める者へから貧しき者への行為ではなく、捧げる、贈る、と言う行為によって、この世界と繋がって行く、と言う本能の営みだと言うこと。

 

「肯定する力」で語ったように、人間は最初、誰しもが受け取る、与えられる存在であったはず。過去に与えられたことで、その人は豊かになり、過去に与えられなかったことで、その人に傷がついた。これがトラウマと言うものでもある。そして、その過去をも変えて行くことが出来る、それが本来の過去と生きる在り方だ、と言うことをあの回で話している。

そこで今回言いたいのは、「肯定する力」は「受け取る力」、或いは受け取ることによって生まれる、と言うことだ。

 

与えられたのに受け取っていないことを、これからしっかり受け取って行こう、と言う話。

 

真の意味でのチャリティー企画と言う位置づけだ。寄付するお金は無くとも、出来ることを通してギフトを贈る。

与えられる経験はどんな人にとっても、実は必要なことで、貧しい人や困っている人達ばかりではなく、普通の人、不自由していない人、どんな人でも、ただ与えられる、贈られると言うことがあって良いのです。

 

ある日、突然、ただ贈与される。

誰でも。それは夢があることです。

 

この企画で僕たちが言いたいのは、人は命を与えられ、この世界に生まれ、そして、全ては与えられたから、ここに居て生きているのだ、と言うこと。だから、これまで上手く与えられなかった人も、それから充分に与えられてきた人も、プレゼントが贈られるということです。受け取って良いと言うことです。それがこの生の本質なのです。

 

もう一つ。

無償で働くと言うことは、それ自体が大きな価値であり、喜びだと言うこと。

 

10代の頃は、無償で働いていました。

寝ずにだって働けました。

そんな中で学んだことばかりです。

有り難い時間でした。

今でも無償で働くことは多いのですが、こんな企画を立てたのは初めてです。

 

今回の参加費無料での企画は、そのこと自体がテーマ内容なのです。

どなたでもご参加頂けるのです。

僕たちが用意したこの時間をプレゼントします。どうぞお受け取り下さい。

 

面白いと思いませんか?

このビジョンに共感して下さる方に、お会い出来たら嬉しいです。

 

母川回帰シリーズ番外編

秋分の日スペシャル企画

「この世界に生まれて」、経堂アトリエにて、9月23日(月祝)開催します。

 

皆さま、よろしくお願い致します。


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