母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

世界ダウン症の日に

昨夜はバディウォーク東京でオンライントークを行いました。細やかながら、一つの文化へ想いを馳せ、改めて共有する時間が持てたかなと思います。

 

今日3月21日は世界ダウン症の日。

昨日もお話ししたように、この日にあえて何かをと言うことは今まではして来なかったです。でも、普段あんまり意識してなかったり、ぜんぜん触れることも無い方々も、何らかの切っ掛けになって、この世界にいる沢山の人達のことを想ってみる、そうなったら素敵です。

 

20年、ダウン症を持つ人達と、

主に制作を通して関わって来ました。

ずっと彼らと過ごしてきました。

 

素晴らしい人達です。

この世界に、調和のセンスを、平和の風を運んでくれている存在です。

もし、彼ら彼女らが困難な状況にあるなら、それは社会全体の責任であり、僕達一人一人が向き合い、改善して行く責任があります。

そうして彼らが笑っていられる世界になれば、僕達もまた幸せを得ることが出来ます。

 

彼らの心の在り方に触れてみる、感じてみる、そんな経験が僕達を豊かにしてくれます。この世界に確実に存在している、柔らかで心地良い一つの文化を。

 

時には彼らの目を通して見てみること。

そうすると、この世界が優しく豊かになります。僕らは繋がることが出来ます。

この世界と調和して行くことが出来ます。

感じ合い、想い合い、響き合うことが出来ます。その可能性を示す力が、何よりダウン症を持つ人達を通して見えてきます。

 

この場所、この瞬間のかけがえのない輝きを、鋭く捉える感性を彼らから学ぶことも出来ます。

 

僕らはもっと謙虚になって、この静かな声を聴き取る必要があります。

きっと宝物のような認識の深みが与えられることでしょう。生きてあることの素晴らしさ、生命体の喜びがそこにあります。

それを感じた時、僕らは彼らと本当の意味で一緒にいます。

 

平和な世界でありますように。

 

2021年3月21日


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今夜です。

今夜お話しします。
開始時間30分前まで受け付けて下さるとのことですので、お時間のある方、空いた方、ぜひぜひお聞き下さい。
明日3月21日は国連が制定した世界ダウン症の日。3月はダウン症啓発月間となっています。20年、沢山のダウン症を持つ人達と関わって来ましたが、この日に何かをすると言うことはありませんでした。この時期に頂いたお話。ご縁を感じています。バディウォーク東京の2021年は枠を広げ、多様な価値の共存、みんなの生きやすい社会と言うテーマになっています。そこに深く共感しますが、今夜は少しダウン症を持つ人達にテーマを絞ってのお話しもたいです。もちろん、それが誰しもに関わる普遍的な内容にまで行けたら、と思っています。調和の文化は今の社会が最も必要とするものです。また今現在、ダウン症を持つ方々、ご家族、関わる人達がまだまだ沢山の困難を抱えています。正しい理解と共感によってしか問題は解決しません。話し合える時間、感じ合える時間、共有出来る時間を持つことが大切です。興味を示して下さる方が1人でも増えて行くこと、それが第1歩です。人を知ることは自分を広げることです。社会的な責任もありますが、それ以上に多くの方々が沢山の世界を沢山の人の心を、感じて行くことで、もっと豊かで、もっと楽しくなる、と言うこともお伝えしたいです。皆様、よろしくお願い致します。

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小さな声

昨夜は東京の保護者の方から電話で相談を受けていた。
ここ10年以上、困難の中で必死に生きて成長しようとしている作家がいる。僕に出来ることは僅かだけど、ずっと向き合ってきた。社会や周りにもっと理解があればこんなことにはなっていない。腹の立つこと、憤りを覚えることも沢山ある。こうしている間にも見逃せないサインを発してくる。それでも、今何とか居場所も確認出来、無事も確認出来た。多分そろそろ本人から電話もあるだろう。声だけは聴いておきたい。声で分かることが沢山ある。

社会は10年、20年前とは変わって来ている部分はある。多様性、ダイバーシティインクルージョンエスディージーズ、、、確かに社会の意識がそう言う概念よって少しでも見直されたり自覚化されるならそれは1歩になる。でも、キャッチーな言葉として、言葉だけ冠にしていれば宣伝になったり、何かやっている気になったりしてしまうのは、逆にその陰で大きなものを見落として行く危険すらある。以前、国会に重度障害を持つ方を、と言う話の時にも僕は書いた。それ自体は悪いことでは全く無いけど、それによって障害を持つ方々の代弁になると考えるのは、余りにも大雑把過ぎる、と。実際に言葉によって思考し対話する人間だけがこの世界にいる訳では無い。そう言う言語による文化の外にいる人達をどう見ていくか。大切なことは、いつでも耳を傾けていることであって、表面化されている問題と言うのは、ほんの一部、文字通り氷山の一角であることを忘れてはならない。良い思想を取り入れてます、とか多様な人材を採用しています、だけではなくて、如何にこの場に居ない人、ここからは見えない人達に向けて想像力を働かせられるか、配慮出来るか、と言うこと。やってます、やれてます、良いことしています、と言う声ばかりが大きくなる。その陰でますます聴こえなくなって行く声がある。でも、僕は見てきた、会って来た、一緒に過ごして来た。今でも沢山の声が聞こえる。一人一人の声を届ける使命がある。多様性は言葉でも概念でもなく、今現に存在しているこの世界の中で、置き去りにしてはならない無数の声がある、と言う現実だと考える。10代の頃、現場で学んだ唯一の基準はみんなが笑っているのか、だった。今、この世界でみんなが笑っているだろうか。みんなの笑顔に繋がるために、歩みを止めてはならない。

春休み企画

今ちょっと考えていること。
東京に居た頃から、志摩まで来てこの環境での制作を希望される声が多く、毎年描きに来て下さる方も数組。志摩アトリエでの制作は、ダウン症を持つ方対象で、見学&制作としてよし子が担当します。個人レッスンとなります。夏の来客が多いですが、おすすめは春と言うこともあり、毎年やりたいねぇ、と話していました。今年は春休みの制作を随時受け付けます。また近い内に告知もしますので、お問い合わせ下さい。地方の方、初めての方、そして、もちろん東京アトリエで制作していた人達。お待ちしております。はい。僕は多分、春休み中のこども達と過ごしております。でも、少しお会い出来るかも知れませんし、お話する時間もあるかもです。良い場所ですよー。また書きます。


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たった一つの個性から

さてさて、バディウォーク東京でのオンライントークいよいよです。
子育て中の方にも比較的参加しやすい日時となっております。
何方でも何かしら得て貰えるお話にしたいと思いますが、特に保護者の方向けでの、久しぶりのお話となります。
東京に居た頃は、連日ご相談を受けて、様々な事例と向き合ってきました。最後の方には今後の社会の中で気に掛かるケースも聞きました。人の心が育つ環境に、流行りや廃りがあってはいけない。ブームに巻き込まれて、気持ちが枯れてしまう話もあります。
障害の問題も多様性の問題も他人事ではなくて、一人一人の生き方、一人一人の内面のこととして捉えるべきだと考えてきましたので、領域を拡張するための企画は、トークや講演においても繋げてきました。でも、今はそれと同時にやはり、身近なところをもっと整える必要を感じています。保護者の方にお話しなければならないことも沢山あります。とうしても目立つ意見に全体が同調してしまって、本当に見るべき目の前の個人に向かっていないな、と感じます。その子がどうか。その人がどうなのか、そこから始まるべきです。保護者の方が迷われる時期に、調べても本当に必要な情報がなかなか見つかりません。お会いしてお話した方々は、もっと早く知っておきたかった、と言われます。だから、なるべくそう言う機会を増やさないとな、と考えています。多様性の問題も、理想を掲げる前にまず自らの内なる多様性に耳を傾ける、そして目の前の個性に向き合い、その人を大切にする。個性とはその人固有の心の形です。一人一人が真に尊重される世界となるように。オンラインとは言え、皆様との一期一会の出会い、本当に楽しみにしております。
よろしくお願い致します。

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全部を乗せて

ダウンズタウンプロジェクト始動。頑張って準備して来たよし子は東京へ出発。事務手続きや、パソコン作業は僕には歯が立たず、役に立つ動きが出来ず、本当に申し訳ない。気持ちはあってもと言うジレンマ。もしコロナがなかったら2020年でブログもFacebookも止めていたと思う。
最近、ちょっと気落ちしていて、もちろん東京での20年の終わりも尾を引いてはいるだろうけれど、昨年、何人もの仲間がこの世を去ったことが、自分に残したダメージが大きかったと、今感じている。何処かで抜けてるのか、軽く車をぶつけてしまったり、手を挟んだりが続いた。うっかりが多くなってるから気をつけよう。みんなに笑って欲しくて、それが出来て来たと感じていたけど、出来ないこともいっぱいあって、悔しいことも沢山あって、ごめんね、と言う気持ちもいっぱいで。でも、それでも今日も相談受けたり、求められていること、期待されていることも自覚している。懐かしいブログを。今読んでも胸が張り裂けそうになるけど、どんな思いも全てを乗せて、必ず良い場にしてみんなと笑おうとしていた頃。今は現場に立つことはなくても同じ気持ちでいる。2014年のブログ。場は出会った全ての人達の全ての想いを乗せて、みんなで精一杯輝こうとするもの、ってこの定義はこれからも大切にしていきたい。今日は悠太リクエストのハンバーグを作る。

https://aepsakuma.blogspot.com/2014/02/blog-post_25.html?m=1