母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

土曜日クラス

さて、何度か書いて来た心配な作家のこと。

まだまだぎりぎりの状況は続くけど、ひとまずは最悪の事態は免れた。そして、今日こそは顔を見ることが出来る予定だった。終わった後の散歩も約束していた。朝、電話があってお休みとのこと。

来月から1ヶ月入院するそうだ。薬も飲んでいる。

電話口での声もろれつが回っていない。

 

一つだけ良かったことは、保護者の方が施設には入れないで何とか一緒にやって行く覚悟を決めたこと。

 

お母さんも苦しい中で、全力で頑張って来た。

だから何も言えない。言いたくはない。

それでもわだかまりは残る。

 

もう少しの努力でアトリエへ連れて行くことが可能だった日が何日もあったはず。

月に1回でも安定した制作が出来ていたなら、こんなことにまではならなかった。

状況が見えていたので、本当に残念でならない。

そして、専門家と呼ばれる人達の判断にも疑問を抱かざるを得ない。関わる多くの人達の対応に関しても。

 

それでもまだ退院してからの可能性を考えている。

こちらは会わなければ何も出来ないが。

 

午前クラスではまた一人の作家が心のバランスを崩していた。制作を見て、良くないな、と直ぐに感じたので保護者の方にはお話した。今日は作品に繋げたけれど状況は良くないないはず、と。保護者の方は驚いていた。普通ならこの段階ではまず気づく人はいないから。学校の勉強に着いて行けず、夜中まで勉強になってしまっている、とのこと。今の段階からお気をつけて頂けると、本当にかなり違ってくる。今ならまだ、と言うことでもある。

 

良いことも、悪いことも、積み重ね。

日々蓄積されて行くことは何度強調してもし過ぎることはない。

 

どんな時でも出来る限りのことをやって、少しでも作家の状況を改善したい。

 

時々、強い雨。湿気。

そんな中で参加した作家全員が、素晴らしい作品を仕上げ、笑顔で、最高の時間に繋げて行った。

こう言う時間をどれだけ、心に入れて行けるか、それが未来の心と身体の健康に直結している。

 

改めて、みんなのために、保護者の方々にお願いしたい。アトリエへ通えるように、なるべくお休みの無いようにご協力をお願いします。もちろん、アトリエだけで何とか出来ることではない。限られた時間と場所だけで解決出来ることは少ない。それでもこの時間があるのとないのとでは、どれ程違うか、そこに思いを馳せて頂きたい。今後も僕達は一人一人の笑顔のために全力で環境を創って行きます。

 


f:id:skmskm77:20190622172101j:image