母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

この夏は

今年から8月も普段通りのアトリエになり、そしてスタッフ編成も変わることもあり、土日の全てのクラスで、僕が制作の場へ入ってきた。新たに始めたトーク企画も力を入れた。夏はほぼ東京で過ごした。次の土日のアトリエでこの夏を締めくくる。みんなと最高の時間となるように。

 

金沢にもちょっとだけだったが帰ることが出来た。お墓はもうないけど、大事にしている場所へ行った。金沢のお盆は箱キリコと言う、小型版キリコを提灯のように照らしてお寺に供える。夜は並んだ箱キリコが光っている情景が本当に綺麗。能登では盛大なお祭りが続く時期に、金沢は静かな時間となる。


7月の終わり頃だったか、志摩で家族で出掛けた神津佐(こんさ)の天王祭が記憶に残っている。あんなに素朴なお祭りが続けられているのは、よほどの歴史と伝統がなければ不可能なこと。祖先供養と疫病払いで、村の中心にある川に燈籠を流して、祖霊を送り出す。華やかさも、誰かに見せることも、全く意識されていない、そこに生きる人達、生きて来た人達が守って来た豊かな文化。静かな感動があった。過ぎ去った時間や、もうこの世にいない大切な人達を思った。志摩の盆踊りも本当に素敵で、来年は家族と行けたら良いなぁ、と思う。

もうすぐ夏も終わる。


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