母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

今月だけ

色々あるので、こうして今月は書いています。4月からはまた、2020年の基本方針に戻します。SNS関連はお知らせ、告知等のみの形で。書いているのは、どんな時でも、今を大切に、楽しく生きて、そこでみんなに笑顔になってもらう、それが全てと言うことです。緊急時であろうが、様々な困難の中であろうが、同じことが出来るか、どうかです。

 

生きている以上、どんな時でもリスクはあります。困難はあります。危機に満ちています。更に、自分の周りだけではなく、この世界にある、追いやられている領域、そこにある文化や、そこに生きている人達は、いつでもいます。

 

今は世界中が危機的な状況です。

コロナウイルスどころの騒ぎではなく、もっと本質的に。でも、今ここまで危機的な状況になったことで、初めて気がついている人達もいます。実はずっとそうだった、と言うことに。見えていない、見てない、だけだったと、。いつでも一握り、一部の人達だけが潤って来たこの世界。恵まれた場所に生まれた人達は、そこが全てだと思っていられたのです。何かが起きて、危機が訪れて、やっと気がつく人達。それが現代の状況です。

 

だから、もし少しでも気がついたら、自分達だけの危機ではなく、この世界にある無数の生命に目を向けて下さい。

近代の作った社会的な豊かさは、多くの犠牲の上に成り立っています。

 

これからの時代は、これまで犠牲になっていたり、無視され、踏みにじられてきた、無数の世界に目を向け、そこに何があるのかを学んで行く方向に進まなければなりません。

 

10代の頃、出会った人達がきっかけとなり、僕は今の仕事に繋がる、人間の心の内なる領域への探求の旅に出ました。その時、何度も自分に言い聞かせました。自分は何も知らないのだ、と。何も見えていないのだと。

全身の感覚を研ぎ澄ませ、心と身体を開いて、未知なる領域に入って行こうとしました。寄り添うとか、耳を傾けるとか、キャッチコピーみたいになってしまっている言葉があります。でも、一人の人間の心の声を聴いて行くことは、そんな生易しいことではない。命懸けの行為です。相手に向ける敬意とは、自己を消し去って、全身全霊で相手を感じようとする、具体的な感覚の動き無くして伝わるものではありません。

 

朝のわりに少し書き過ぎました。

この美しい世界に、今日も僕たちは生きています。そして、必ず隣に誰かがいるのです。

その人に笑って貰いたいですね。

多分、僕たちはそのためにここにいるのです。晴れました。今日は日曜日のアトリエです。


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