母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

こんな時でも

さて、僕もほぼ部屋から出ずに1週間を過ごしました。

家族もいるし、三重に帰りたいですが、こんな中ではなかなか動けません。

東京から地方へ行くことにもなってしまうし。

アトリエのことも心配です。

再開する日にはどうしても居るべきだとも思っています。

 

この土日もお休みにして、連絡を回しましたが、昨日も間違えて来た人が2名。

作家の顔を見てしまったら、帰す訳にも行かないですから、描いて行きました。

本当はこの時間が、こういう時ほど必要なこともまた確かなのです。

安全とのバランスを今後どうとっていくか。

難しい問題です。

起きていることの意味を理解出来ず、急に変わった周囲の変化に押しつぶされている人もいます。行く場所を失うことは、誰にとってもきついことですが、中には何倍も何十倍もダメージを受ける人もいます。

説明したら、みんな同じように理解出来ると思ったら、多くの人を見落としてしまう。

理解の仕方だって、それに要する時間だって、受けるストレスだって、それぞれ違う訳で、それを大変な時期だかと言って放置して良いことにはならないです。本来なら個別に見て行かなければならないのです。

 

その上で本来の使命を果たせず、申し訳ないのですが、今の段階ではアトリエはお休みです。宜しくお願いします。

 

それにしても、ここ数日で気づきました。

あー、うっかりしていたなぁ。

相談のご連絡や、調子の悪い人からの電話が続いています。1日に何回も電話してくる人もいます。あ、そう言う時期だった。

コロナ騒動の中だって、人間の心の動きは止まるはずがないので、良くも悪くも周期的な動きも保っています。いや、これは今コロナの緊張感で押さえられている人が、後々さらに出てきたりするので、もっと難しくなってくるでしょう。ズレて出てくる人も多いですし。そうなのです。世の中がこんな状況だからと言って、精神的に危機にある人達は待ってはくれません。こんな時でも、こんな時だからと言って、人の心は動きは待ってはくれない。昨日も一人、保護者の方と長電話でしたが、ここ数年、トラブルの連続で入退院を繰り返していた作家がいます。

僕も保護者の方とはなるべく力を合わせ、でも時にはかなり厳しいことも言って来ました。今は薬を上手く使うしか日常生活を送って行く方法がない、と言う状況でじっくり見ながら、適切な判断が出来る精神科の先生がいたのですが、その頼みの綱も失ったそうです。病院内で患者さんへ暴力が出てしまい、結果その病院へは行けなくなりました。

 

そんなことがあったあと実は先週、その作家に会っていて、制作も行いました。そのお陰で、とあえて言いますが、持ち堪えました。この1週間はとても楽しく過ごしていました。ここ数日、電話が頻繁になっています。

以前ほどは危なくなっていないですが、少しハイですかね。この1ヶ月が勝負どころです。

 

少しだけ、こう言うことも書きました。

今は確かに大変な時期ですが、だからと言ってライフライン以外は全て切り捨て、そこだけみていて良いのか、僕は違うと、現場からの声をお伝えします。

生命に係わると言うことで言えば、いつだってそう言うギリギリの状況を生きている人や家族もいる、と言うことは忘れてはならないことです。

 

写真は昨日の午前、午後各1名の作家による作品です。

 

本日もアトリエはお休みです。

宜しくお願い致します。

 

皆さんがお元気でありますように。

そして、1日も早くみんなが制作する日々が戻って来ますように。


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