母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

美しい場面

午前中はこれからグループホームを立ち上げると言う方とお会いした。素晴らしい方で意気投合。あんまりこんなことはないのだけど。良い出会いだった。そして、午後は先月からお約束していた方の個人レッスン。初めての作家だったけど、ピタッとハマった。制作の場は作家とスタッフとの信頼関係が全てと言って良い。楽しくも怖い仕事でもある。お母様は以前に外での僕の講演に来て下さっていて、その後は母川回帰シリーズを始めた時からずっと参加して下さっている。お子様よりお母様との方がお付き合いがある、と言う珍しいパターン。だけど良く考えると、こうして保護者の方との関係が築けていて、何でも語り合えることは、子供を見る上では本当に理想的なこと。東京アトリエではメンバーも多くてなかなかそこまで出来なかったけれど。制作の時間が忘れられない。優しく敏感な作家だった。お花を描くね、と筆を持ち替える度に言った。ほらお花、と。しばらくしてスイッチが入ったな、と言う瞬間があった。僕の方をジッと見て、海、海に行こう、と言う。分かった行こう。泳ごう。うん。作品には花が溢れ、海が広がっている。一緒に海に行ってこの世界はなんて広いんだろうと思った。作家と1度でも共有した景色はずっと残って行くもの。写真では上手く入らなかったけど原画は何倍も綺麗です。


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