母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

今月に入って、東京アトリエの作家ほぼ全員に会うことが出来た。まだ数名会えていない作家もいるけれど、引き続き今は無理の無い選択をお願いしたい。11月に経堂の場所がお終いになることで、多くの保護者の方々は、これからどうしよう、と途方にくれ、次の場を求める声も多い。作家の中でも寂しくて、まだ気持ちを取り戻せない人もいる。せめて、それぞれの想いを受け止めて行きたい。そんな中で、こんなことが無ければ気づくことが無かったかも知れない感動があった。殆どの作家達がこの状況を理解した上で、普段通り笑顔と輝く作品に溢れた制作の時間を創ってくれるている。今は楽しく制作しよう、みんなと良い時間を過ごそうと言う気持ちが共有されている。みんなとやって来たことってこう言うことだったよね、と改めて気づいたり、みんな場を知り抜いてやって来たんだな、と感動したり。少し場所や時間が離れたからと言って、そんなことを上回る絆が出来ている。これが長年築いてきた仲間と場の力だな、と。アトリエ、制作の場と言うものを誰より分かっているのは作家達本人だな、と。作家達の素晴らしさ、鋭さ、優しさ。この前も書いたけれど、やっぱりここは世界で1番の場所だったと感じている。今後、東京でも何らかの場所は必要だと思うし、それを可能にするための努力もして行くけれど、まだ先の見通しも立たないし、少し時間もかかるだろう。でも、作家達との絆が消えることは絶対にない。そんな確信を持てた二週間だった。午前のクラスで僕がつい「みんなが描いてるところ、やっぱり最高だなあ」と呟くと、あみちゃんが「良いこと言うじゃん。私もそれ言いたかった。」と言ってくれた。午後はしんじ君が「代々木でもう1回やろう」と言ってくれたり。(いやいや代々木から引っ越して来たんだから)。まずは11月の終わりまでしっかりと良い時間を刻んで行く。

 


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