母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

今日も素敵な時間

個人レッスン、本日年内最終日。

今年出会って、素晴らしい制作が続いた。

 

帰り際、作家のお母さまから、今年はアトリエと出会えたことが、1番の家族の喜びでした、と言って頂いて、言葉にならないくらい嬉しかった。

 

改めて、制作の時間の大切さを深く実感する出来事も続いた。

この場に入っただけで、かなり回復して帰って行った人。この1年で何度か苦境に陥ったけれど、制作の時間によってしのぐことが出来た作家。

 

ここ数年でメンバーになった作家が数名いる。他の環境で絵を描いていた作家は、影響や癖が強く残っていて、それを見ると、本人の心の声が抑えられていることが直ぐに見える。制作の環境を問わなければならない。

作品は作品以前の心で生まれるもの。心の自由がなければ、肯定感も健康も生まれない。

 

作品が小さくなっていたり、硬くなっていた人達も数回の制作で、本来の線が見えて来ている。自分らしさが出せると表情も変わってくる。少なくとも、この場所においては作品は見せることを目的とはしない。もっと遙かに大切なことがあるから。

見せる時には、制作の場をしっかり守れると言う万全の準備が必要だ。

 

他の環境で描いていて、ここで描くことになった作家を見ていて、違いは一目瞭然だ。

一人一人がその人本来の力を発揮して、幸せになること。それだけが答えだ。

 

昨日は、母川回帰シリーズの内輪メンバーと忘年会。今年の感謝と、来年の決意。素晴らしい方達と命の話が出来て、本編の会のような深い時間だった。この方達と一緒に居られて本当に幸せだ。

 

僕は明日と明後日の制作が終わったら、志摩へ向かう。土日の制作が楽しみだ。来年2020年も最高の場をみんなと創る。


f:id:skmskm77:20191220123608j:image