母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

近づく春

昨日くらいから空気が変わった。

風も違う。

 

東京アトリエのこと、少し引き締めて、意思を確認し合いたい、と言う気持ちがあった。

こう言う言い方はしたくはないけど、この時間を軽くみているのかな、と感じる方もいる。

制作の時間は、ただ絵を描けば良いとは思わない。

一人一人に対して、背景を考え、次に繋げるための準備をして、この時間を向かえる。

そうやって待っている。

道具の準備は他の人にも使えるけれど、そう言う心の準備は一人の人だけのためのもの。

大切にする気持ちだけでも共有していたいもの。

 

来月の東京ではまた凝縮した時間の中で、しっかり心に残る場を創りたい。

 

作家達の本能の力をまざまざと見てきた。

この時期はまた作品が変わってくる。

楽しみなところ。

 

春を感じた時の制作はまた良い。

 

下の子、舞果を保育園へ送る。

坂道を急に走り出す。元気いっぱい。

春を感じているな、と。

舞果を送っての帰りでも、他の子ども達が同じように走っている。やはり子供は敏感だ。

 

小学生達も。

家の前の道を通り過ぎる子供達。

みんな走っている。声もいつもより元気だ。

 

大人は鈍い。季節の変化に身体が反応していない。

 

こう言うことが制作においても大切なこと。

この変化を一緒に楽しく向かえる。

そんな時間を持つこと。

僕たちは感じ合うことを大事にしてきた。

 

この身体を持って、地球にいて、季節と共にある。

感覚が動いている時、世界の繋がりの中にいる。

感覚が止まると人は世界から切り離される。

それを孤独と言う。

 

だから心が動いていないといけない。

それが人間が生きていること。

人と人は響き合うために一緒にいる。

人と世界も響き合う。

制作の場は何よりシンプルにその実践であり続ける。