母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

与え合う喜び

月の光。綺麗。

ぐんと寒くなった。

 

会員の方向けのテキストを考えていた。

僕の書く部分はとても短いけれど。

そして、お読みになれば、いつもと変わらない、とてもシンプルな内容になったかな。

でも、改めて考えてみて、今1番伝えたいと思ったことでもある。外での企画も含め沢山のことをやっているけれど、やはり1番大切なのは制作の場で一人一人と共有する時間。みんなが輝く瞬間。

 

仕事柄、沢山の人に会うし、人の裏も表も見てきた。成功者と言われる人も、後に成功していった人達も。

あの頃のあの人が活躍してるなあ、と嬉しい気持ちになることも。でも、本当に素晴らしい人と言うのはそんなにはいない。残念ながら今の社会での成功や活躍は本物の証とは程遠い。逆のケースの方が多いとさえ感じる。カルロス・ゴーンに会ったことがあるわけでもないし、彼の何も知らないから言うべきことはないけれど、社会的に大成功している人達は多かれ少なかれ、あんなところだろう。そんな仕組みになってしまっている。自分のことしか考えないから成功出来ると言う部分はどうしてもあるから。いや、自分の属している組織と言うのも自分に入るから。組織のことだけ、もう少し広げても自分の国のことだけ。本当のことを言ったらそれでは幸せにはなれないのに。

 

単純過ぎて忘れていること。簡単すぎて、そんな訳がないと思い込んでしまっていること。自分だけの幸せなんてあり得ないという事実。物理的に言っても、誰かが居るから幸せなんです。誰かが笑うからこちらも嬉しくなるわけです。誰かが犠牲になったり、誰かが幸せでなくなったりしたら、こちらも幸せを感じられない。多くの不幸の上に成り立つ幸せなんて存在しない。そんな簡単なことも分からなくなって行く世の中の仕組み。

 

成功している人に、大物と言われる人に、実際に会ってみたら分かりますよ。本当に凄いな、と思える人、ほとんど居ないから。本物はもっと違う処に居るから。沢山の人を見てきましたから。本物の人間の凄みも知っています。太刀打ち出来ない、と思う人はもっと違う場所にいます。

 

人を見極める目も大事です。

 

まず人にあげる人。与える人。それをすっと出来る人がいます。僕が日々、制作の場に立って感じるのは、裸になれる人の強さ。目の前の人に大切なものを差し出せる人間の凄さ。与え合う喜び。響き合う幸せ。輝いている人を見て自分も輝く。そして、自分が輝くことで周りの人も輝く。そこに幸せがある。


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