母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

考えておくべきこと

こう言う時こそ、祈る気持ちで、良い場を創って、一人一人の笑顔に繋げる。

本日の土曜日クラスの制作、始まりから迸るような素晴らしい時間でした。

 

やはり場は最高。

言葉は要らない。これが答え。

 

残念な連絡もあった。

これはちょっと書いておきたい。

場にはちゃんと仕組みがあって、必要な手順を踏んでいる、と言うこと。

それはどうかご理解頂きたい。

 

ここでも何度か書いてきた作家のこと。

今回は持って回った言い方はしたくない。

はっきり話そう。

心はボロボロで、入院が決まった時点では、ギリギリのところだった。

僕は一か八か勝負をかけ、命懸けで救出した。これは事実。ここまではっきり言ったことはないけど。

元気になってくれて、その後2回、制作に来ている。

やっとリズムを取り戻している場面。

彼の場合は月に1回の制作。

どれだけ大切な時か分からないはずがない。

保護者の方から、また欠席したいと言う連絡。もう言葉がない。

 

確かに。元気になっている。

大変な時期を過ぎたと甘く考えてしまうのかも知れない。

これはもう何度も保護者の方に説明してきたこと。僕との信頼関係にも関わる。

この判断はアウトだ。

残念ながら、また悪くなってしまうだろう。

ただ、もう1度、あの奇蹟が起こせるか、と言ったら、それは難しい。

 

この際、こう言う話をしておこう。

これもそろそろ良いかな、と思うので場における真実を言おう。

他の作家に関しても、数々危機的な状況を、場によって出来る限り改善してきている。

そのためにどれだけ力を使おうと、命をすり減らそうと、何事も無かったように、すんなり帰している。

分かっていらっしゃる保護者の方も沢山いる。でも、気づいていない方も多い。

殆どの場合はそれで良い。

誰も気づかないで元気になって貰えれば、それに超したことはないから。

でもあまりに軽く考えていると、今回のようなケースに繋がる。

あえてこんなことを書いた。

これもほぼ初めてだ。

 

これ以上は流石に書かないでおこう。

 

放っておいて勝手に笑顔は生まれない。

勝手に治ったり、元気になったりはしてくれない。それだけは言っておきたい。

 

まだまだ実のところあるのだけど、それはまた機会があれば話しましょう。

 

沢山の例を見てきて、経験とデータを持っているし、実際に証明もしてきた。

それでもお医者さんや、専門家と呼ばれる人達の言うことしか信じない人達には、もう話しても仕方の無いことなのだろう。

 

僕が立って来たような現場は、正直な実感で言うなら、誰も出来ないと感じている。

そして、その僕自身が年々感度は落ちている。自分も出来なくなる。佐久間が居ないとき、居なくなった時、僕自身が出来なくなったとき、それで終わりなのか。

そう。そう言う形は終わっても良い。

何故なら、もっと確実な方法があるから。

時間はかかっても、確実で負荷の掛からないやり方。仕組みをしっかり知ることが大切だ。だから今、僕はトーク企画等において、経験を共有していこうとしている。

 

言い方を変えるならこう言うことだ。ギリギリの状況を一瞬の判断で変えるきっかけを作ったり、覆すことは特種な勘やセンスや技術が必要だ。それは習って身につくことではない。でも、正しい認識を持って、そう言う状況にならないように、日々の時間を積み重ねることは、心がけ次第で誰でも可能なこと。

そのための認識を知って貰うことも、今話していることの目的の一つでもある。

 

そこからその上で、

母川回帰シリーズにおいては、更にもっと普遍的などんな人にとっても、人間として幸せに生きるためのあり方がテーマとなっている。


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