母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

また一人

今朝、信さんからメッセージがあった。
ここに書いたら怒られるかな。でも何か言わなければ落ち着かない気持ちがある。ずっと会えて居なかったし、長い間入院していたので覚悟はしていたけれど、やはり悲しくて仕方ない。
信州立屋共働学舎のドン、林武さんが亡くなった。16才の時、初めて会った林さんの存在は共働学舎の中でも1番印象に残っている。間違い無く僕に切っ掛けをくれた一人。林さんが居てこその立屋。そう言う意味では親方以上の存在だったかもしれない。牛小屋で育ったと言う太刀打ち出来ない伝説を持つ巨人。1対1で真剣に付き合ってくれたし、喧嘩したことさえあった。誰にも見せないと言っていた宝物を見せてくれたこともある。それはヌード写真だったけど。存在しているだけで凄い人。居るだけで有難い人。唯一無二の存在。あんな人はもう他にいないだろうな。時々、誰も知らないような唄を歌ってくれた。かつてどこかで聴いた歌なのだろう。出会えたこと、一緒に生活出来たこと、色んなことを教えてくれたこと、その存在で見せてくれた人間の深み。

たった一人の人間が、その場所、その時間の全てを象徴することがある。その人が去ったとき、余りに大きなものが失われ、一つの時代が終わる。確かにそう言うことがあるのだと、林さんと言う存在を想う。

 

ありがとう林さん。ご冥福をお祈りします。