母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

1対1の場

初めての人の制作に関わること、それは本当に大きなことだし、その後に繋がって行くことでもある。個人レッスンは二つ返事でお受け出来るものではない。でも、今月は沢山関わらせて貰って、原点に帰ったような気持ちだった。凄く集中力を使う仕事だけど、責任の重さと同じくらいの感動がある。作家が見せてくれる素晴らしい世界。そして、保護者の方たちが喜んで下さることは、本当に嬉しい。世代の違いなのか、昔は保護者の方はお子様の絵を前にしても、人前で喜んだり、感動したりする方は少なくて、謙遜の意味ではあるのだけど否定的な言葉が多かった。今出会っている方々は、皆さん、お子様の作品を前に、本当に感動されている。こちらとしてはやっぱりそれが一番。保護者の方と一緒に感動出来たり、一緒に喜べることが何より。こんな綺麗な絵が描けるなんて、考えてもいなかった、と仰る方、子供の可能性を信じられたと仰った方、育ててきたことが報われたとまで言って下さった方もいます。そして、何より嬉しかったのは、今日の作品のような、こんな笑顔と、こんな幸せな状態を、子育ての基準にしていきたい、と言う言葉を頂いたこと。笑顔がバロメーター、作品の輝きがその人の心の状態、といつも言って来た。作家たちの内側にある、可能性を保護者の方達には特に感じて頂きたい、と思ってやって来た。その人の素晴らしさを、一緒に喜び合いたい。制作することの真の目的はそこにあると感じている。