母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

ある生

兼六園へは10年以上ぶり。よし子を案内して以来かな。昔はもちろん入園料もなくて、閉園時間も確か無かったから、公園みたいにいつでも歩いてた。祖母とは何度も来た。信州に居た頃、天涯孤独の女性が、ある日やって来て、それから一緒にみんなと生活した。その方のことを母川回帰シリーズでも語ったことがある。ある日突然行方不明となった。そして、見つかった時には亡くなられていた。最後の場所に選んだのが兼六園だった。彼女は最後に何を見たかったのだろうか。兼六園に何を見ていたのだろうか。彼女の死を知って直ぐに僕は兼六園へ向かった。小さな頃何でも無かった景色が、違って見えた。その時にみた景色がずっと残っていて、その後僕はあまりここへ来ることが無くなった。本当に色んなことがあった。次はいつ来るのかな。意外に直ぐかも知れないし、気がつけばまた途方も無い時間が流れてしまうかも知れない。今見ている、この景色をしっかりと胸に刻む。


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