母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

初めの一歩

良い天気です。夏はもうそこまで来てますね。このくらいの季節が良いです。

新生ダウンズタウンとしての初展示、皆様ありがとうございました。素晴らしいスタートを切れたかと思います。

昨日も少し書きましたが、いよいよなんです。これからですね。ここから始まりです。皆様、ダウンズタウンプロジェクトをよろしくお願い致します。

やっとやっとスタートの場所まで来たと言う実感もあります。よし子が最初のイメージを持ったのが高校生の頃で、大学の卒論でもありましたから。

この10年くらいでも色んなことがありましたね。僕の周りでも、正直多くの人が変わったなぁ、と思います。10年もあれば人は変わります。変わって良いです。だからしっかり見直して、足元確認して進みたいです。

さて、色々とご質問も受けるので、今後の体制だけはしっかりお伝えしておきたいと思います。実は何度かチラッと書いたのですが、その度にご心配頂いたり、お気遣い頂いたりで、これはもう少し丁寧に書かなければ、と感じておりました。本当にシンプルなことですのでご心配には及びません。役割分担でもあり、選手交代の時期でもあります。
一般社団法人ダウンズタウンプロジェクトは佐藤よし子が理事であり、代表です。2人ですか?とも聞かれますが、僕はあくまでサポートと言うか、担当する仕事を受け持ちながらちょっとだけ全体を見ています。

何故、こう言う体制をとることにしたのか、と言うとです。
もしかしたら、外から見ると分かり辛いかも知れないのですが、現場の目線は開いた活動をして行くべき時には邪魔になりかねないからです。少なくとも敷居が高くなってしまいます。
東京アトリエを守って居た頃は、それでも誰かが現場の責任を貫く必要がありました。組織にとって理想は色々あるでしょうけど、現実問題として、本当に場を守るためには隅々まで目を光らせている必要がありました。良い場に高めて行くことは大変なことでも、落としてしまうことは一瞬なのです。徹底的に作家優先の場はみんなにとって居心地の良いものでも、スタッフ含め、関わる人達にとっては負荷の掛かるものでした。人によっては潔癖症的にも完璧主義にも見えたことでしょう。
でも、これは素晴らしい現場に繋がっていましたし、僕らは責任を全うすることが出来たと思っています。

人には向き不向きと言うものがあります。僕は現場の人間。より開かれた動きとして、ここから沢山の人に関わって行って貰わなければなりません。そうしたときに、そう言う、みんなが入りやすい、参加し易いベストな形はなにか、と考えて来ました。
リーダーとなる人の資質、性格や雰囲気も含めて、ここは僕は一歩引く場面と判断しました。
分かり安く引退してしまえば良いのですが、まだまだ人材も頭も労働力も不足していますので、それに僕も次なる仕事が見つかっている訳でもないので、ここで性格上少し努力の必要はありますが、口は一切出さず体だけ動かそうかと思っています。

ダウンズタウンプロジェクトはよし子が中心となって、様々な方々に参加して頂いて、ご協力頂いて、みんなで創って行く、新たな歩みとなります。

これから東京アトリエのメンバーや、外の人達にも開かれたワークショップを月に1度程行います。
また素晴らしい作品も生まれることでしょう。作家たちの最高の笑顔とも出会えるでしょう。展示やグッズ販売等、企画もどんどん進めて行きたいです。そして、安定した場作りですね。自然の中でのカフェやミュージアム、来て下さる方々の落ち着いた居場所になるような場を。

こう言うことを書くとまた誤解を招くかも知れませんが、やっぱりちょっとだけ。
先日は展示を行いながら、トークしながら、不思議な感覚がありました。ああ、終わったんだなぁ、と。物理的な終わりは東京アトリエの終了だったかも知れないけど、精神的と言うのか、もう嘗てのような現場はないんだなぁ、って。寂しさももちろんのありますけど、でも全く悔いは無いです。次の人が現れたらいつでも交代するつもりでしたから。終わりました。だから始まることが出来ます。ここからスタートです。

ここから始まるダウンズタウンプロジェクトにどうか皆さん、ご期待下さい。そして応援よろしくお願い致します。


f:id:skmskm77:20210624090444j:image