母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

語り継ぐこと

困難の時代。危機の時代。

人類がここを乗り越えて新しい世界を創れるのか。

それとも滅びに向かって行くしかないのか。

 

これまで沢山のダウン症の人たちと、

数多くの時間を過ごしてきて、

人の在り方や生き方を、

見直す必要性を実感してきた。

 

元々から福祉的な見解で行っていたわけではない。

それでも長い間、福祉、教育関連や、

少し流れは違ってもアートの世界の関係。

そういう枠組みからしか見られることはなかった。

 

社会が、人の内面が変化してきたな、

と感じだしたのは、

東日本大震災の数年前位からだろうか。

そして震災後は更に切実に求められている、

と言う感触が強くなった。

 

東京のアトリエには、

本当に沢山の来客が続く日々があった。

対応出来ない位の問い合わせもあった。

 

展覧会や様々な企画においても、

求められ方が変化した。

一言で言えば、一般の方々こそが、

1番敏感に反応するようになった。

その流れの変化は明らかだった。

 

 

ダウン症の人たちの持つ文化に、

目を向けることで、変わって行かなければ、

と言う思いを持つ方が増えた。

あるいは、直感的に、何かがある、と、

何か違うもの、真に価値あるものが、

あるはずだ、と感じる方々。

 

気がつかなければならないこと。

忘れてはならないこと。

本当に大切なことは何なのか、と言う見直し。

 

もっとシンプルに、

もっと研ぎ澄まして生きること。

人間はもっと輝ける存在であること。

そしてもっと優しくなれるし、

平和を、調和を生み出すことが出来ること。

 

人間の可能性がここにある。

 

ダウン症の人たちの描く世界と、

彼らの在り方には、

人の心を動かさずにおかない何かがある。

それは人類の共有財産と言って良いもの。

 

その適切な扱い方をも、

僕たちは学んで行く必要がある。

 

今一度このテーマを共有して行くため、

気持ちを新たに挑むつもりです。

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