母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

生命体の核へ

春分でしたね。

そして満月。

 

春の夜。

 

このブログは母川回帰と言うテーマなので、核心にあることを書きましょう。

 

これまで色んなところで書いたり話したりしてきて、実は全てが一つのことなわけです。

 

何故ダウン症の人達が重要なのか。

彼らが何を示しているのか。

と言う部分でも、つまりは原型であり、原点であると言うところ。

 

心に向かうとか、制作するとか、描くと言う行為を通して、この現場で何を行ってきたのか、と言うことも。つまりはこの人間存在、生命体の核へ向かう、と言う実践ですね。

 

より深く、より核心に、生命の源に向かっていく。

その時に何が見えてくるか。

 

これを繰り返しますが言葉でなく、実践的に進めて来たと言うことです。

 

生命の核へ。生命体の芯へ。

 

本当に不思議です。本当に神秘です。

向かって行くと気がつくのです。

進んで行くと分かるのです。

実は元へ元へと戻っていることに。

ここで僕達は生命における回帰と言うことに、気づかされていくのです。

 

生命の核心に何があるか、と言ったら、元の元に何があるかと言ったら、ある一つの眼差しです。

遙か彼方から見渡す視線。

この場をずっと遠くから確かに見ている視線。

自らが自らを照らしている眼差し。

 

その眼差しが見ているのは、始まりであり、終わりであるこの場所。

 

そこに立って僕達はこの生の意味を知るのです。

それを見ることで救われるのです。

世界が変わるのです。

これまで見てきたものが全く新しく見える。

 

作品の発するメッセージも、それらが何故人の心に響くのかも、その答えはここにあります。

何故ダウン症の人たちに目を向けるべきなのか、その答えはもここにあるのです。

 

僕らのアトリエは単なる趣味や、興味本位の取り組みではないのです。

またそれをアートだとか、福祉だとか、教育だとか、セラピーだとか、そう言うこととも全く違う訳です。

もっと生命体の本質に関わること。

 

そんな自覚を改めて共有して行きたいです。


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