母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

奇想の系譜展


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今日は東京都美術館へ。奇想の系譜展、内覧会に伺いました。

凄かった。何度も息を呑んだ。

そして、最高に面白かった。楽しかった。

 

芸術はエンターテイメントより高いものとされる。

エンターテイメントは一段低く見られる。

 

しかし、エンターテイメントを甘く見てはならない。

そして、最上のエンターテイメントは芸術の域に達する。そんなことを感じさせてくれる展覧会だ。

 

これほどまでに目を満足させてくれる展示は、本当に久しぶりだ。

 

日本の美と言った場合、ほとんどが削ぎ落とした、夾雑物を廃した表現であったり、研ぎ澄まされた透明感であったり、引き算が強調される。

でも、それは一面で一方では強烈なデフォルメや、苛烈なまでの装飾や、グロテスクなまでの足し算だってある。それらは一段低く見られてきたけれど、中には突き抜けたものがあって、ある閾値を超えた時、それは崇高な世界すら見せてくれる。

 

サービスであったり、驚かせ、ワクワク、ドキドキさせ、エンターテイメントとしてとことん楽しませる。そこに命を燃やす人達がいる。

 

そんな人達が与えてくれる夢がある。

人間にとって大事な要素だ。もっともっと楽しんで良いと思うし、それも美術の役割の一つなのかも知れない。作者達の仕掛けたトリックに喜んで身を委ねることが出来た。圧倒的な表現の前に感動を覚えた。

 

これは見るべき展覧会だと思います。

奇想の系譜展は東京都美術館で明日、2月9日~4月7日まで。