母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

令和へ

夕方から降り続いた雨。

夜の東京。

平成から令和へ。

 

昨夜、「平成最後の夜に」と言うタイトルで書いていたがボツにした。

 

元号と言う制度。

それをどう捉えるのか、様々な見解や立場があるだろう。ただ僕はと言えば、ここから新たなスタートを切ろうと思う。

 

昭和天皇崩御された年。僕は12才だった。

祖母からは外出しないように、それから赤等の派手な服を着ないように言われていた。

こっそりと外へ出歩いた時の景色を忘れない。

北陸のどんよりとした気候の中で、世界が終わってしまったような重い空気が漂っていた。

それから4年後には故郷を捨て、2度と帰らない覚悟で旅に出た。

沢山の出会いがあった。

ミッションとなる仕事とも出会えた。

 

平成の30年間は振り返ると夢のように過ぎ去った。

あまりに長く、そして一瞬の出来事のようでもあった。命を賭けて挑んできたこと。

栄光と挫折。

出来たことと出来なかったこと。

 

元号が変わっただけで、何も変わらない、と言う人も多いだろう。

それも真実。

 

でも僕は実感している。

これまでも幾つかの終わりに立ち会って来た。

同じものを感じている。

終わった。

一つの時代が終わった。

過ぎ去ったものたちはもう2度と帰っては来ない。

 

変わらなければならない時もある。

棄てなければならないものもある。

 

きれいさっぱり諦めようと思うことも幾つかある。

違う角度から、違う場所からやっていこう。

 

今後は全精力を傾けるところは、ピンポイントで絞って行きたい。

もう細部まではこだわらない。

 

妥協する訳では無く、貫き方を変えることになるだろう。くだけた言い方をするなら、もういいだろう、と言う思いもある。

 

今年から始めるプロジェクトに、まずは魂を注ごうと思う。これまでにやっていなかったことを始める。

そしてこれまでやって来たことに関しては、もう少し緩めても良いと思っている。いや、かなり緩めて良いと。形は変わって行くべきだ。

 

ライフワークである場に関しては、今後も毎回が答えであれるようにしていくことに変わりは無い。

 

一つの時代が終わり、次の時代がやって来る。

 

僕達に許された道は一つしかない。

突き進むのみ。ただひたすら。

しかし、過去に敬意を払い、過去を忘れない。

これまでもこれからも。

 

令和元年5月1日、夜。


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