令和へ
夕方から降り続いた雨。
夜の東京。
平成から令和へ。
昨夜、「平成最後の夜に」と言うタイトルで書いていたがボツにした。
元号と言う制度。
それをどう捉えるのか、様々な見解や立場があるだろう。ただ僕はと言えば、ここから新たなスタートを切ろうと思う。
祖母からは外出しないように、それから赤等の派手な服を着ないように言われていた。
こっそりと外へ出歩いた時の景色を忘れない。
北陸のどんよりとした気候の中で、世界が終わってしまったような重い空気が漂っていた。
それから4年後には故郷を捨て、2度と帰らない覚悟で旅に出た。
沢山の出会いがあった。
ミッションとなる仕事とも出会えた。
平成の30年間は振り返ると夢のように過ぎ去った。
あまりに長く、そして一瞬の出来事のようでもあった。命を賭けて挑んできたこと。
栄光と挫折。
出来たことと出来なかったこと。
元号が変わっただけで、何も変わらない、と言う人も多いだろう。
それも真実。
でも僕は実感している。
これまでも幾つかの終わりに立ち会って来た。
同じものを感じている。
終わった。
一つの時代が終わった。
過ぎ去ったものたちはもう2度と帰っては来ない。
変わらなければならない時もある。
棄てなければならないものもある。
きれいさっぱり諦めようと思うことも幾つかある。
違う角度から、違う場所からやっていこう。
今後は全精力を傾けるところは、ピンポイントで絞って行きたい。
もう細部まではこだわらない。
妥協する訳では無く、貫き方を変えることになるだろう。くだけた言い方をするなら、もういいだろう、と言う思いもある。
今年から始めるプロジェクトに、まずは魂を注ごうと思う。これまでにやっていなかったことを始める。
そしてこれまでやって来たことに関しては、もう少し緩めても良いと思っている。いや、かなり緩めて良いと。形は変わって行くべきだ。
ライフワークである場に関しては、今後も毎回が答えであれるようにしていくことに変わりは無い。
一つの時代が終わり、次の時代がやって来る。
僕達に許された道は一つしかない。
突き進むのみ。ただひたすら。
しかし、過去に敬意を払い、過去を忘れない。
これまでもこれからも。
令和元年5月1日、夜。