母川回帰

ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエ、元アトリエ・エレマン・プレザン東京代表、佐久間寛厚のブログです。日々の制作の場で人間の心と創造性の源を見つめています。

あれは何だったのか?

今回の東京都知事の会見は、ほぼ夜の酒場へ向けてのことだった。

感染拡大を防止するために、そう言う仕事をしている人達を保障すべきだ。これは多くの人が言っているように。

経済的な保障無くして、ただ自粛せよ、と言うなら、それこそ命に関わること。

ここへ来てまた差別に近い考え方が増えているて思う。

 

真っ先に無用と切り捨てられる仕事がある。

 

職業に貴賎無し。

 

建前と現実はいつも違っている。

経験の無い人達はいつでもきれい事。

 

僕も水商売によって育てられてきた。

母が夜から朝まで、客に酒を出し、自らも飲んで、そうやって日銭を稼いで、僕らを育てた。貯金ゼロ。稼ぎが尽きれば死ぬ。

 

食べられなくなったときのために、僕は孤児院に友達を作って、いつでも行けるようにさせられていたし。

 

時代も場所も違うだろうけれど、そうやって何とか生きている人達がいることを忘れないで貰いたい。

 

この社会はこれまで、ほんの一部の人達だけのことを考えて経済を回してきたけど、これからはそうは行かない、そろそろそこに気がついて欲しい。

今回の世界中の危機が、そこに目を向ける切っ掛けになってくれれば、と切に思う。